ヘッドホンあれこれ-2
クラシックデザインヘッドホンのMECAT化
昨今のヘッドホンはその多くが、新発売されてはすぐに販売終了を繰り返していますが、このクラシックなデザインのヘッドホンは人気、ロングセラーとなっています。昔ながらの丈夫なつくりで長持ちもします。しかし市場での「音」の評価は、ほぼ真っ二つに分かれているようです。今回、その理由を探ってみました。
計測してみると優れた再生性能であり、価格相応の良い品。特に何か言いたくなるところはありません。

そこでもっと細かくみてみると…ははぁ…「いい!」と言う人と「何だこれは!」と言う人、すなわち最も「好み」が分かれる周波数成分のところにちょっとだけ工夫がされています。どうやらこれが「評価真っ二つ」の理由のようです。

ドーム型ハウジングのヘッドホンは、原理的におよそ癖のない音とすることも、相当に癖のある音とすることのどちらも比較的簡単にできることが特徴です。このことから過去、各社の業務用モニターヘッドホンによく使われたものですが、このヘッドホンはこれを「新たに使った」民生用ヘッドホンです。巷で言われる「アシダ音響さんのST−12のコピー」というのは明確に違います。

しかし原理は同じ。私にとっては、といいますか往年の音声技術者の方々にとっては付き合いの長い、ドーム型ハウジングのヘッドホンです。音質のポイントはどこかは嫌でも一目であったりします。

「つつくポイント」はいくつかありますが、このヘッドホンはオーソドックスに、ドライブユニットの裏、3つの穴で音を決めています。これを塞ぐと癖がなくなります。

けれどもこの程度の癖は実用上、特に問題となるものではなく、基本、つつく必要なし、「ひどい音」と評価される方々の「耳」に驚くばかりです。しかし「ひどい音」と評される方で、「低音がない」と言われる方は医師の診察を受けられたほうがよいかも知れません。低音は、中音を殺さないぎりぎりのところまで強く出されています。騒音性聴力障害は怖いです。米国労働安全衛生局の定めた基準であれば、90(dBSPL)で8時間まで。これ「ヒトの大声の程度」のため、ヘッドホンではすぐにこのくらいの音量になります。

まあ、そうは言っても「聞こえる」のは事実です。

確認のため、フェルトで塞ぎ、あわせてMECATにしてみることにしました。

と言っても、他には何もすることはなく、ハウジング内にたっぷりネコの毛を充填して閉じるだけです。
ストレートなモニタートーンになりました。ドーム型ですから特に位相差がはっきりわかるのが特長、業務用モニターヘッドホンとして使うことのできるレベルです。
「好み」に左右される民生用ヘッドホンは、どこまでもきりがなく難しい。改めて考えさせられることになりました。
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