Forever ELEGA
ヘッドホンあれこれ-16
〜 ドクロ MECAT 〜
捨てる、売る…ちょっと待った!
頑丈な発音体と金物。DR-531/631は「一生モノ」です。
ELEGAの部品整理をしていて最後に残った故障したDR−531、631の発音体それぞれ1個。捨てるのはもったいないが、かといって他に使いようが無い…どうしたものかと考えましたが、やはり修理、今のヘッドホンの筐体に組み込んで、531として使うことにしました。
ベースはこれにしました。2016年現在、主に日本ではそのデザインで人気のある海外製の密閉型ヘッドホンです。

と言っても外見=デザインで選んだわけではありません。

しっかりした構造、このくらいでないと531、631のドライブユニットを支え、鳴らし切ることができません。また531、631のドライブユニットは重いため、頭からヘッドホンがずり落ちてしまうことになります。ドーム型ハウジング、さらに50(mm)のドライブユニットを搭載しているものとしてはコンパクト、耳覆い型の高密閉と、これならば、531、631独特のドライブユニットが発生させた「空気圧差」を正しく鼓膜に伝えるはずです。

ドライブユニットを外し、プラスチックを細かく削って取り付けベースを作ります。531、631のドライブユニットは50(mm)よりも少し大きいため、そのままでは嵌りません。ここに修理・調整した631、531のドライブユニットを取り付けます。

改めて考えてみますと1953年の段階、今から60年以上も前に2017年現在、ハイレゾ対応で最適とされている50(mm)のドライブユニットを見出した先達の頭脳に改めて驚かされます。振動板の面積までほぼ同じです。というわけで精密に作ってある分、精密な音がするわけです。

631のドライブユニットと531のドライブユニットをLRそれぞれに取り付けます。

531、631のドライブユニットはよくできていて、ハウジングの影響をほとんど受けません。つまりドライブユニット単体に気流回路(背気室)を内蔵、それひとつとして完結されており、写真の状態でイヤパッドを取り付けて聞いても普通によい音がします。しかしそうは言っても531のそれは631ほどの完成度ではない、また今のヘッドホンはハウジングの内部形状がLRでかなり異なりますから、ハウジングによってわずかですがLRで音が変わってしまいます。普通一般の汎用ドライブユニットでは問題にはなりません(聞こえません)が、厳密なこのクラスのドライブユニットになると、その差が聞こえてしまいます。

それぞれ1個ずつしかないということもありますが、そこで、内部構造の複雑なL側を繊細な音調のできる631のドライブユニットとし、ほぼドンピシャのところまでLRの音を揃えることにしました。
また圧倒的にドライブユニットのほうが長寿命のため、ドライブユニットの取り付けは、ホットボンドで固定、シリコーンゴムで密閉とし、将来的に筐体が故障したらドライブユニットの「引越し」ができるようにしました。
まあ、今回はこれによる効果は大して得られませんが、ネコの毛を入れて閉じ、完成です。
最終的に…「531B」(医療・測定器用)の特性が得られました。ヘッドホンにある「ドクロマーク」ではありませんが、ま〜「露骨な音」を出します。この世に1機だけの「ドクロ MECAT」が完成しました。もとのこのヘッドホンの音は「ドクロマーク」とは対照的に、米国の方好みの「悠久」、おおらかなリスニング音ですから、余計に凄く感じられます。
特に海外製リスニング用ヘッドホンを選ぶにあたって注意しなければならないことがあります。それは「どこの国の製品か?」ということです。例えば「欧米」とひと口に言っても、欧州の人の「音の好み」と米国の人の音の好みはかなり異なっており、それぞれの国でそれぞれの国の人に好まれる音のリスニング用ヘッドホンが作られています。対して日本は極東、まさに「文化の終着点」のためか、試聴統計をとっても、日本人には「これ」という音の好みはなく(ヘッドホンに限らず音響製品全般について日本では有意な数字として出てきません。対して欧米諸国では一定の傾向が出てきます。)、結果、恐らくは世界一、さまざまな音のヘッドホンが作られている、また、あらゆる国から輸入されています。そしてゆえに日本のメーカーはどこも「永遠の試行錯誤」、「メーカーによる音の傾向」なんてものはありません。対して欧米メーカー品の多くには統計から得られた音の傾向が付けられています。すなわち日本は、良く言えば世界一多くの音の選択肢のある国、しかし悪く言えば世界一の「音ごちゃ混ぜ」の国です。この中で「自分の好みの音」を探すのは、それこそ世界一、困難なことかも知れません。このことからプロは「諦めて」、自分のリスニング用にも「万国共通」の「モニターヘッドホン」を使うことが多いです。
DR−531/631両耳型ヘッドバンドの革がボロボロになってお悩みの方は以下にご相談下さい。新規製作できます。ただし交換はご自分、自己責任で実施下さい。R側のリベット4本を抜くと交換できます。
革研究所広島店さま
DR−531/631のイヤパッドがボロボロになってお悩みの方は以下のぺ−ジをご覧下されば幸いです。ご自分で製作・交換できます。ただし製作・交換はご自分、自己責任で実施下さい。
ELEGA DR-531/631用イヤパッドの検討
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